株昭
王褒
逆転と明君
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悲哉于嗟兮,心内切磋。
悲しいかな于嗟、心内切磋す。
ああ、何と悲しいことか。私の心は切り削られるように痛む。
款冬而生兮,凋彼叶柯。
冬に款りて生じ、彼の葉柯を凋ましむ。
草木は真冬にぶつかって生え、その葉も枝もみな凋んで枯れてしまう。
瓦砾进宝兮,捐弃随和。
瓦礫宝として進められ、随和捐棄せらる。
瓦や小石が宝として献上され、随侯の珠と和氏の璧は捨てられる。
铅刀厉御兮,顿弃太阿。
鉛刀厲がれて御せられ、太阿頓として棄てらる。
鈍い鉛の刀が研がれて用いられ、名剣の太阿は鈍物として捨てられる。
骥垂两耳兮,中坂蹉跎。
驥両耳を垂れ、坂の中に蹉跎す。
千里の駿馬は両耳を垂れ、坂の途中でつまずいて進めずにいる。
蹇驴服驾兮,无用日多。
蹇驢駕に服せられ、無用なるもの日に多し。
足の悪い驢馬が車につながれ、役に立たない者が日ごとに増えていく。
修洁处幽兮,贵宠沙劘。
修潔なるもの幽に処り、貴寵なるもの沙劘す。
身を修め行いの清い者は人里離れた所に住み、尊く寵愛を受ける者が彼らを押しのけ削り取る。
凤皇不翔兮,鹑鴳飞扬。
鳳皇翔ばず、鶉鴳飛揚す。
鳳凰はもう飛ばず、鶉と鴳雀が得意げに飛び回る。
乘虹骖蜺兮,载云变化。
虹に乗り蜺を驂とし、雲を載せて変化す。
虹に乗り副え馬には霓をつけ、雲をのせて姿を変化させる。
焦明开路兮,后属青蛇。
焦明路を開き、後に青蛇属く。
鳳凰の仲間の神鳥焦明が前で道を開き、青い蛇が後ろに続いて守る。
步骤桂林兮,超骧卷阿。
桂林に歩驟し、巻阿に超驤す。
桂の林をゆっくりと、また速く通り過ぎ、曲がりくねった山のくまを飛び越えていく。
丘陵翔儛兮,谿谷悲歌。
丘陵翔儛し、谿谷悲歌す。
丘や山並みは起伏して舞うかのようで、谷川の流れは悲しい歌のように響く。
神章灵篇兮,赴曲相和。
神章霊篇、曲に赴きて相和す。
河図や洛書のような神聖な書は、曲調に合わせて互いに唱和する。
余私娱兹兮,孰哉复加。
余私かに茲を娯しむ、孰か復た加へむ。
私はひそかにこれを楽しむ。これ以上の楽しみがほかにあろうか。
还顾世俗兮,坏败罔罗。
還りて世俗を顧みれば、罔羅壊敗せり。
振り返って世俗を見ると、仁義は破れた網のように崩れ果てている。
卷佩将逝兮,涕流滂沲。
佩を巻きて将に逝かむとし、涕流れて滂沱たり。
佩玉を収めて遠くへ去ろうとすると、涙がとめどなくあふれ流れる。
乱曰:皇门开兮照下土,株秽除兮兰芷睹。
乱に曰く、皇門開きて下土を照らし、株穢除かれて蘭芷睹る。
結びにいう。君主の宮門が開いて天下の大地を照らし、枯れ株や汚れが除かれて蘭と白芷が姿を現す。
四佞放兮後得禹,圣舜摄兮昭尧绪,孰能若兮原为辅。
四佞放たれて後に禹を得、聖舜摂して尭の緒を昭らかにす、孰か能く若くならむ、原はくは輔と為らむ。
驩兜・共工・三苗・鯀の四人の佞臣を追放してのちに禹を得、聖なる舜が政を摂って尭の事業を輝かせた。誰がこのように人を見抜き用いることができようか。私はその補佐となりたい。
全篇の穢れを除く願いは、最後に補佐しうる君主へ向かう。